ネットリテラシー検定機構

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-利用する 場所・時間・目的

1.業務上の利用

今日、職場にはインターネットを利用する環境が十分に整っており、また業務上インターネットを利用することはもはや当然の事となっています。しかし、業務の中でのインターネット利用には十分な注意が必要なことを理解しておかなければなりません。

業務上の守秘義務の問題

通常、多くの職場では職業倫理や職務規定として守秘義務が定められており、また、所属する組織の利用規則や管理者の指示に従ってインターネットを利用することが求められます。業務上知った秘密情報がインターネットの利用中に故意または過失によって漏えい、公開してしまった場合、所属する組織やその利害関係者から損害賠償を請求されてしまったり、職業によっては法律で罰せられてしまったりすることがあります。業務上で知り得た情報を許可なくインターネット上にアップロードすることや、顧客の電話番号が入った携帯電話や会議内容をメモするために撮った写真が入ったスマートフォンを落としてしまうことなどは、意図せず大きな問題となってしまうため注意が必要です。

私的利用の問題

職場で、業務上不適切なサイトを閲覧していたり株取引をやっていて問題になったりするような話が後を絶ちません。多くの組織では労働契約や就業規則等で、従業員が誠実に労働することを求めています。業務時間中に業務以外のことで私的にインターネットを利用することを私的利用といい、職場のコンピュータを利用した職務とは関係のないコミュニケーションツールの利用、オンラインゲーム、ネットサーフィン、映画や動画のダウンロード、金融取引などをすることがこれにあたります。私的利用は行き過ぎると査定のマイナス評価の対象となったり、懲戒の対象となったりします。また、私的利用による影響としては、「コンピュータウィルス感染」「企業の有する情報の流出・漏洩」「ネットワーク混雑などの通信障害」「仕事効率の低下」などがあります。

国家公務員/地方公務員はそれぞれ法律で、守秘義務(職務上知り得た秘密を守る義務)が定められており、在職時だけでなく退職後であってもこれを漏らしてしまえば、重い罰則(懲役もしくは罰金)が科せられます。公益性・公共性の高い職場に勤める役職員も「みなし公務員」とされ、同様の扱いを受けることがあります(摘要になるかどうか、くわしくは職場に確認して下さい)。
また、法律により処罰される職種としては、医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人と宗教、祈祷若しくは祭祀の職が挙げられているほか、一般市民から選任される裁判員・補助裁判員、検察審査会委員(別項目で解説)などにも法的な守秘義務があります。また、国家公務員は、職務に全力で専念する義務が課されています。そのため、職務に就いている場所や時間中に、副業をしたり、私的な用事を済ませたりすることは禁じられています。実際に、勤務時間外でしたが、公用コンピュータでトランプゲームをしていて処分を受けた地方公務員の事例もあるので、注意が必要です。
品位を貶める問題

品位を貶める表現にはさまざまなものがあります。たとえば、「○○の一員としてふさわしい行動を」というのは、何となく言葉としては分かっても、実際にどのように行動するのかを考えてみると非常に難しいと思います。アルバイトやパート、会社員が勤め先に合っているかどうか、立場によって見解が分かれる場合もあります。

インターネット上で所属する組織の品位を貶める行為とは、具体的には、組織からの発信であるとわかるような状態で公序良俗に反するもの・犯罪行為と思われる表現などの情報を発信する行為が該当します。ただ、たいていの組織には品位を貶める行為に明確な基準がなく、理念や行動基準となる規範や綱領、倫理規範、ルールが定められているにとどまります。どこまでが品位を保っていて、どこからが品位を貶める行為や表現となるのか、きわめてあいまいであり、明確な線引きはできません。ですが、本人たちは少し羽目を外したり、悪ふざけとしてやったりしたと思っている行為が、品位のない行為と判断されて処分を受けたり、外部からの社会的な評価を落としたと判断され場合によれば法律違反になることもあります。

こうしたことを踏まえて考えてみると、インターネットでの行動や発言に慎重さが求められることが理解いただけると思います。