プライバシーは個人の権利として守られるべきであり、侵害は断じて許されないことです。
企業としてもプライバシー情報の取り扱いには、細心の注意が求められます。
しかし、プライバシー侵害の発生は、故意・過失を問わず後を絶ちません。
そのため、プライバシーの重要性や侵害のリスクを改めて理解しておく必要があります。
この記事では、プライバシー侵害に関して、損害賠償や刑事罰などの企業リスクを踏まえながら解説します。
企業が取り組むべき対策もあわせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プライバシー侵害とは

プライバシー侵害とは、私生活上の事実や個人がみだりに公開されたくない情報を、本人の意思に反して収集・利用・公開するなどして、私生活の平穏を害することです。
そもそもプライバシーとは、私生活上の情報や私生活の平穏について、みだりに公開・干渉されない利益や権利として理解されています。
現在は、インターネットの普及により、誰でも簡単に情報を発信できる世の中となりました。
一方で、プライバシーを不用意に公開してしまうケースも見られます。
たとえば、友人とその恋人が写っている写真を本人の同意なくSNS上に投稿した場合、内容や状況によってはプライバシー侵害にあたる可能性があります。
仲の良い友人同士であれば問題には発展しないかもしれませんが、プライバシー侵害は身近なところにも存在しています。
特に企業は、さまざまな情報を扱う可能性があるため、プライバシーを侵害することのないよう、今一度見直しましょう。
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インターネット上のリスクに対応できる人材を計画的に育成するための検定です。
プライバシー侵害と個人情報保護法違反の違い
一般に、プライバシー侵害は、個人情報保護法上の個人情報に限られず、私生活上の情報や私生活の平穏に関わる、より広い問題を含みます。 一方、個人情報保護法は、生存する個人に関する情報であって、氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別できる情報などを対象としています。
そのため、個人情報保護法違反にはならないものの、プライバシー侵害にはあたるという場合も起こり得ます。
プライバシーは個人が秘密にしたい情報であり、個人の特定に至らないとしても扱いには注意が必要です。
プライバシー侵害と個人情報保護法違反では、それぞれ対象とする情報が異なると覚えておきましょう。
プライバシー侵害が企業に与える7つのリスク

プライバシー侵害が企業に与えるリスクには、以下の7つが挙げられます。
- 企業ブランド・信用の毀損
- 損害賠償などの民事責任
- 風評被害・炎上の拡大
- 採用活動・人材確保への支障
- 取引停止・契約解除等の事業リスク
- ガバナンス不全・内部管理責任の問題
- 刑事責任に発展する可能性
ここでは、それぞれのリスクに関して、詳しく見ていきましょう。
リスク①:企業ブランド・信用の毀損
プライバシー侵害を一度起こしてしまうと、プライバシー保護への認識や配慮が不十分な企業であると受け止められる可能性があります。
長年積み上げてきた企業ブランドや信用にも傷がつき、既存の顧客はもちろん今後新たに関わる相手からの印象にも悪影響を及ぼします。
場合によっては取引停止にもつながり、企業の存続をも左右し得る重大な事案です。
失った信用の回復は決して容易ではなく、時間も要します。
プライバシー侵害は当事者間だけではなく、企業としての問題であるといえるでしょう。
リスク②:損害賠償などの民事責任
プライバシー侵害は、精神的苦痛や経済的損失を伴うことがあるため、損害賠償などの民事責任を追及されるリスクがあります。
侵害の態様や被害の程度によっては、慰謝料を含む損害賠償責任が認められる場合があります。
賠償金額を決める要因には、主に以下の3つが挙げられます。
- 損害の期間・範囲・程度
- 故意・過失の程度
- 被害者の社会的地位 など
故意に継続して侵害していた場合には、高額な慰謝料を請求される傾向にあります。
プライバシー侵害は、損害賠償にもつながり得るほど悪質なものであると覚えておきましょう。
リスク③:風評被害・炎上の拡大
現代では、インターネットやSNSが発達しているため、情報が瞬く間に拡散され、長期間にわたって残存・再拡散されるリスクがあります。
場合によっては、風評被害が取引先や社員の家族などの第三者にまで及びかねません。
インターネットによる拡散力は非常に高いため、小さな火種でも炎上してしまうと、拡大を避けるのは困難です。
インターネット上に公開された情報は完全な削除が難しい場合があり、いわゆるデジタルタトゥーとして長く残ることがあります。
また、当事者ではなく第三者であっても、関係を持つ者として世間から厳しい目を向けられる可能性もあります。
プライバシー侵害は、多くの人そして半永久的に影響を及ぼすものと認識しましょう。
インターネットおよびSNSを通じた炎上事例やリスクに関してさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】ネットリテラシー不足が招く企業のSNS炎上リスクとは?教育方法も紹介
リスク④:採用活動・人材確保への支障
プライバシー侵害を起こしたという事実は、企業への入社を検討している方の懸念材料となり得ます。
就職・転職先を複数の企業から検討する際、待遇はもちろんですが社風や労働環境なども踏まえて総合的に判断するものです。
そのため、採用活動・人材確保において、プライバシー侵害の発生はマイナスに働いてしまいます。
現在働いている社員、そして将来働く人材のためにも、プライバシーの観点には細心の注意を払いましょう。
リスク⑤:取引停止・契約解除等の事業リスク
プライバシー侵害は、企業の信頼を損なってしまい、取引停止・契約解除等の事業リスクにつながる恐れがあります。
上述の通り、プライバシー侵害の発生は、企業ブランドや信用に関わる問題です。
上場企業であれば株価に影響する可能性もあり、企業規模や状況によっては経済的損失が大きくなるおそれがあります。
たとえ一人の社員によるプライバシー侵害であったとしても、第三者からは企業の出来事として捉えられるという意識を持つことが重要です。
リスク⑥:ガバナンス不全・内部管理責任の問題
プライバシー侵害の発生は、企業における管理体制が十分でなく、ガバナンス上の問題が背景にあった可能性があります。
そのため、プライバシー侵害が起きた原因を明確にし、内部管理に問題があれば直ちに改善するのが重要です。
ガバナンス不全のままでは、リスクを放置する状態となり、再度プライバシー侵害を起こしてしまう可能性もあります。
リスクを抑えるためにも、内部の管理態勢を見直しましょう。
リスク⑦:刑事責任に発展する可能性
プライバシー侵害それ自体に直ちに対応する一般的な刑罰規定があるわけではありませんが、行為の内容によっては刑法その他の法令に触れ、刑事責任が問題となる場合があります。
行為態様によっては、次のような犯罪が問題となる場合があります。
- 名誉棄損罪(刑法230条)
- 信用毀損罪(刑法233条)
- 脅迫罪(刑法222条)
- 不正アクセス禁止法違反 など
たとえば、氏名・住所を無断で公表した上で、「明日、お前の家に行ってやる」と脅迫文を送りつけた場合は、プライバシー侵害だけでなく脅迫罪も成立する場合があります。
プライバシー侵害自体あってはならないことですが、状況によってはさらに重い罪になるリスクも生じることを理解しておきましょう。
企業が取り組むべきプライバシー侵害対策

企業がプライバシー侵害を起こさないためには、あらかじめ対策を講じておくのが重要です。
企業が取り組むべきプライバシー侵害対策には、以下の3つが挙げられます。
- 社内ルールの明確化
- 研修の実施
- プライバシーに関する管理体制の構築 など
名刺・書類やデータをどのように管理するのかなど、社内ルールの明確化はプライバシー侵害対策になります。
あわせて定期的な研修により、一人ひとりの意識を向上させることが効果的です。
また、複数のチェック体制を敷くといった、管理面の強化も効果を発揮します。
プライバシー侵害を起こさない仕組み作りや、各々に意識を持たせることがポイントになるといえるでしょう。
企業が研修する重要性や実施のポイントに関して知りたい方は、下記の記事もぜひご一読ください。
【関連記事】企業研修の重要性とは?トレンドや企画・実施時のポイントを解説
プライバシー侵害の予防策にネットリテラシー検定が効果的な理由

プライバシー侵害の予防に努めるためは、社員一人ひとりの心がけが重要です。
企業で対策していたとしても、社員にまで伝わっていなければ予防効果は薄れてしまいます。
しかし、予防策を個人で身につけるのは困難なため、教育によって周知させるのが有効です。
教育方法には、テキスト形式の学習や講師による講義形式の研修などがあります。
なかでも、ネットリテラシー検定は、インターネット上の情報発信や個人情報・データなどの扱い方などを体系的に学ぶ手段の一つです。
一方的な研修ではなく検定となっているため、個人の理解度を把握することもできます。
プライバシー侵害を予防したい企業のご担当者様は、「ネットリテラシー検定とは」をぜひご覧ください。
まとめ:プライバシー侵害の理解と企業体制の整備を進めよう

プライバシー侵害を起こさないためには、企業だけでなく社員一人ひとりの理解を深めるのが重要です。
あわせてルールや仕組みを整備し、企業体制の強化を図りましょう。
当機構では、ネットリテラシー検定を通した、プライバシー侵害の予防をサポートしています。
プライバシー侵害を発生させないための対策を講じたい企業の担当者様は、ぜひ「企業・団体・学校のご担当者様へ」のページからご連絡ください。
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