インターネットの普及により、情報の取り扱いや発信内容が企業のブランドイメージに直結する時代になりました。
社員一人ひとりが正しいネットリテラシーを身につけていないと、情報漏えいや情報発信時の炎上など、企業にとって重大な問題につながる可能性があります。
こうしたリスクを未然に防ぐためには、社内全体でネットリテラシーに関する教育を行うことが重要です。
この記事では、企業が社員に対して行うネットリテラシー教育の目的や効果的な勉強法、導入時のポイントについて詳しく解説します。
自社に適した教育法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ネットリテラシーを教育するべき理由
社員のネットリテラシーを向上させるべき理由は、以下のとおりです。
- 企業の機密情報や個人情報の流出を防ぐため
- SNSアカウントの炎上リスクを回避するため
- 社員個人のSNS利用が企業に与える影響を最小化するため
- サイバー攻撃からの被害を未然に防ぐため
- 情報リスクを共有し、組織全体の対応力を高めるため
社員のネットリテラシーが低いと、さまざまなトラブルにつながり、企業活動に大きな影響を及ぼします。
インターネットの利活用はビジネスに不可欠であり、トラブルを未然に防ぐためには各社員が主体的に学び、正しい知識を備えることが求められます。
企業全体でネットリテラシーを高めておくと、企業の信頼性を維持できるだけでなく、情報資産を守ることにもつながります。
社員のネットリテラシーを向上させる教育法
社員のネットリテラシーの向上には従来の研修だけでなく、多様な学習方法の導入が適しています。
代表的なネットリテラシー教育は、以下のとおりです。
- 座学研修を実施する
- 動画を活用する
- eラーニングを利用する
各勉強法の特徴を解説するので、参考にしてください。
教育法①:座学研修を実施する
社員にネットリテラシーを浸透させるためにはセミナー形式の座学研修がおすすめです。
社内教育として座学研修を導入する際は、ネットリテラシーに関する基礎知識や情報セキュリティ、SNS利用の注意点などを網羅的に伝えることがポイントです。
また、双方向のコミュニケーションが可能な研修スタイルを採用すれば社員の理解度も高まります。
自社にネットリテラシーに関する専門知識を持つ担当者がいない場合は、外部講師を招くと、実践的で信頼性の高い研修を実施できます。
座学研修を定期的に実施すると、全社員の意識向上と知識の定着が図れるでしょう。
教育法②:動画コンテンツを活用する
ネットリテラシーの社内教育には、動画コンテンツを活用する方法も適しています。
ネットリテラシーを学べる動画サイトは複数あり、手軽に質の高い教材を利用できる点がメリットです。
視覚的に学べるため内容が理解しやすく、社員の印象に残りやすい点も動画コンテンツを活用する利点といえます。
また、動画コンテンツは時間や場所を選ばずに視聴可能なため、業務の合間などで学習可能です。
動画の活用は補助教材や社内ポータルへ掲載すると、社員が常時知識を身につけられる環境を整えられます。
教育法③:eラーニングを導入する
eラーニングは、パソコンやスマートフォンを通じてオンライン上で学習を進められる教育法です。
ネット環境があれば、場所や時間を問わず受講できるため、多忙な社員でも無理なく取り組めます。
ネットリテラシーを学べる教材も多く、テスト機能を活用すれば社員1人ひとりの理解度を客観的に確認できる点がメリットです。
また、受講履歴の管理や進捗の可視化が可能なため、継続的な社員教育にも適しています。
eラーニングは、効率よくネットリテラシー教育を進めたい企業におすすめの教育方法といえるでしょう。
ネットリテラシーの効果を高める具体的な教育内容
ネットリテラシー教育の効果を高めるためには、抽象的な知識だけでなく、具体的なテーマや事例を交えた学習が重要です。
具体的な教育内容は、以下の3つです。
- 社会で実際に問題となった事例を紹介する
- 社内ガイドラインを策定し、読み合わせをする
- グループワークで自発性を促す
研修内容に取り入れる際のポイントを紹介するので、ネットリテラシー教育を検討している方はぜひ参考にしてください。
教育内容①:事例を紹介する
社員のネットリテラシーに関する理解度を深めるには、実際に起こったトラブル事例を題材として取り上げることが有効です。
情報漏えいやSNS炎上など、実際に起きたケースを紹介すると、社員が身近な問題として捉えやすくなります。
単なる知識の習得にとどまらず、「自分も当事者になり得る」という危機意識を促せる点が事例を社内教育に活用するメリットです。
また、問題の背景や対応策まで共有すると、社員がリスク回避に必要な判断力を身につけられます。
教育内容②:社内ガイドラインを策定し、読み合わせをする
ネットリテラシーの意識を社内に浸透させるためには、ガイドラインを策定したうえでの読み合わせが重要です。
ガイドラインを文書として整備すると、社員の行動基準が明確になり、迷ったときの判断指針として活用できます。
たとえば、SNS利用時の注意点や個人情報の取り扱いルール、業務端末の使用制限などを定め、読み合わせを通じて全社員の理解度を深めることが重要です。
明確な基準があると社内のネットリテラシーが標準化され、情報トラブル予防につながります。
教育内容③:グループワークで自発性を促す
ネットリテラシーに関する理解を深めるためには、グループワークを取り入れて、社員自ら考える機会を設けることも重要です。
たとえば、業務で起こりうるネットトラブルを題材に社内研修でディスカッションを取り入れると、社員は具体的な対応方法を主体的に学べます。
一方的に知識を与えるのではなく、社員自ら考えて判断する教育を実施すると、実践的な知識の習得が可能です。
グループワークの際は役職や部門を越えて意見交換をすると、社内全体でリテラシー意識の統一化が図れます。
ネットリテラシー教育を企業が取り入れる際のポイント
ネットリテラシー教育を企業で導入する際は、定期的に実施することが重要です。
定期的なフォローアップの実施により、社員の知識が定着しやすくなります。
また、全社員を対象とした教育を基本とし、役職や業務に応じてカリキュラムを最適化することも大切です。
さらに、教育の意義や目的を経営層から発信すると、組織全体での意識統一を図れます。
日常業務で自然にネットリテラシーを取り入れられるような環境づくりも、実践的な運用につなげるために重要といえるでしょう。
ネットリテラシーの教育には検定もおすすめ
体系的かつ実務的な内容でネットリテラシーを身につけるためには、検定制度の導入が適しています。
ここでは、社員教育にネットリテラシー検定を取り入れるメリットと実際の導入事例を紹介します。
社内における教育方法を検討している方は、参考にしてください。
社員教育に検定を取り入れるメリット
ネットリテラシー検定を社員教育に取り入れると、学習内容の定着状況の「見える化」が可能です。
検定の実施により、単なる研修で終わるのではなく、社員1人ひとりがどの程度知識を身につけたのか客観的に把握できます。
また、合格基準により知識レベルの標準化が図れるため、社内におけるリテラシーのばらつきを防げます。
検定を教育目標とすると、自主的な取り組みを促しやすくなる点もメリットです。
ネットリテラシー検定は、教育効果の測定と継続的なスキル育成の基盤としての活用が可能です。
導入事例
こちらは、マーケティング活動支援やITサポートなど、幅広いサービスを展開している大手企業が当機構の運営するネットリテラシー検定を導入した事例です。
導入目的 | 新人研修の一環 |
導入内容 | 新入社員290名が受験 |
受講した社員の声 |
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導入効果 |
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現代の新入社員は、インターネットが身近にある環境で育ってきた「デジタルネイティブ世代」です。
しかし、その一方で、ネットリテラシーに関して正確な知識を持たず、曖昧な理解のまま利用しているケースも少なくありません。
実際に、企業でネットリテラシー検定を導入した際、「勉強すれば合格できる試験」と認識しつつも、十分な準備をせずに受験した社員が一部見受けられました。
ネットリテラシー検定では、社員一人ひとりの学習進捗を一元管理できる機能があり、受験者数が多くても効率的な教育管理が可能です。
また、知識の定着度やリスク理解の有無を「見える化」できるため、社内教育の質の向上にもつながります。
ネットリテラシーを「実践的かつ体系的」に学ばせたい、教育効果を「数値で可視化」したいという企業には、「ネットリテラシー検定」の活用が最適です。
まとめ:ネットリテラシー向上のための勉強法を取り入れよう
ネットリテラシーの向上は、情報トラブルの防止や企業の信頼性維持に直結します。
座学研修やeラーニング、検定の活用など、社内の実情に応じた教育手法を取り入れると、社員の知識レベルを標準化できるため、継続的なリテラシー強化が可能です。
ネットリテラシー教育は、リスク管理の観点からも早期に取り組むべき課題の1つです。
自社に適した勉強法を取り入れて、ネットリテラシー向上を図りましょう。
なお、ネットリテラシー検定機構では、ネットリテラシー検定の受講を受け付けております。
ネットリテラシー検定を社内教育の一環として取り入れたい方は「企業・団体・学校のご担当者様へ」ページをご覧ください。