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情報漏洩とは?意味・原因・企業に与える影響・リスク対策について解説

情報漏洩とは?意味・原因・企業に与える影響・リスク対策について解説

情報は、企業にとって守るべき重要な資産です。
情報が漏洩すれば取引先や顧客からの信頼を失うだけでなく、経営にも深刻な打撃を与える可能性があります。
万が一、顧客データや機密資料が外部に流出すると、ブランドイメージの低下や法的責任が発生し、信頼の再構築が困難な状況に陥ることもあるでしょう。

この記事では、情報漏洩の意味や原因、企業に与える影響を解説します。
また、リスクを最小化するための対策もあわせて紹介しますので、社内の情報漏洩対策を強化したいとお考えの担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

情報漏洩とは

情報漏洩とは、企業や個人が保有する機密情報や個人情報が外部に流出する事態を指します。
情報漏洩は第三者による不正アクセスだけでなく、社員による書類の紛失や商談の場での何気ない発言など、日常業務の中でも発生します。

企業にとって特に注意が必要なのは、機密情報と個人情報です。
企業がこれらを漏洩させた場合、社会的な信頼を失うだけでなく、不正競争防止法や個人情報保護法などに基づく厳しい規制の対象となり得ます。

引用元:
経済産業省|営業秘密~営業秘密を守り活用する~
政府広報オンライン|「個人情報保護法」を分かりやすく解説。個人情報の取扱いルールとは?

 

企業が漏洩してはならない情報

企業が漏洩してはならない情報は、以下の2つです。

 

  1. 個人情報
  2. 機密情報


ここでは、個人情報と機密情報の定義を整理し、企業が管理上注意すべき点を解説します。

 

個人情報

個人情報とは、個人情報保護法第2条で定義される、特定の個人を識別できる情報や個人識別符号を含む情報を指します。
企業は氏名だけでなく、他の情報と照合すると個人を特定できるものは個人情報に該当することを認識しておく必要があります。

特に、人事管理部においては、社員や採用応募者の情報を扱うため、どの情報が個人情報に当たるのかを正しく理解することが求められるでしょう。

引用元:個人情報保護委員会|個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

 

機密情報

機密情報とは、新製品の開発計画や営業秘密など、企業が事業の運営のために外部に漏らしてはならない情報を指します。
これらは、外部への開示を前提とせず、組織内で適切に管理されている情報です。

万が一、漏洩した場合に企業が被害を受ける情報は、基本的にすべて機密情報に含まれると考えられます。

 

情報漏洩の原因

パソコンを操作する人

情報漏洩の主な原因は、以下のように分類できます。

 

  • サイバー攻撃
  • 社内での内部事故
  • 外部の人間による故意・過失


ここでは、代表的な原因を整理し、組織として留意すべき点を解説します。

 

原因①:サイバー攻撃

サイバー攻撃は、情報漏洩の原因として最も代表的な要因の一つです。
攻撃者は不正アクセスやフィッシングメールなど多様な手口を用い、企業の機密情報や社員・顧客の個人情報を狙います。

特に、人事管理部が扱う人事評価データや給与情報は、攻撃対象となりやすいため、十分な注意が求められるでしょう。

 

原因②:社内での内部事故

情報漏洩は、社内で発生する事故によっても引き起こされます。
具体的な例として、以下の通りです。

 

  • 社員が書類を紛失する
  • 誤って外部にメールを送信する
  • 機密ファイルを誤って共有する


これらは
悪意がなくても発生し得るものであり、日常業務の中に潜むリスクとして認識する必要があるでしょう。

ネットリテラシーが低い社員の特徴に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

【関連記事】ネットリテラシーが低い社員の特徴とは?企業に生じるリスクや対処法を紹介

 

原因③:外部の人間による故意・過失

情報漏洩は、外部の関係者による故意・過失によっても発生します。
代表的な例は、以下の通りです。

 

  • 取引先や委託先の担当者が情報を不正に持ち出す
  • 外部の会社が誤って機密データを共有してしまう


企業は、自社の社員だけでなく、
外部の関係者が携わる業務にも情報漏洩リスクが存在する点を認識する必要があるでしょう。

 

情報漏洩が企業に与える影響

情報漏洩は、システム上の問題にとどまらず、企業の経営全般に深刻な影響を及ぼします。
代表的な影響は、以下の通りです。

 

  • 損害賠償の発生:漏洩した情報によっては、多額の損害賠償請求や和解金の支払いが生じる
  • 社会的信用の低下:顧客や取引先からの信頼を失い、ブランドイメージが損なわれる
  • 経済的損失:取引停止や株価下落など、企業活動全体に損害が及ぶ
  • 法的責任:個人情報保護法などの法令違反により、行政処分や罰則を受ける可能性がある
  • 業務への支障:調査・対応に多大なリソースを割かれ、業務へ影響を及ぼす


情報漏洩は、一度発生すると収束までに時間を要します。
よって、企業は必要な予防策を講じ、被害を未然に防ぐ体制を構築することが求められます。

社員のネットリテラシーを向上させるための教育法に関しては、こちらの記事をご参照ください。

【関連記事】 社員のネットリテラシーを向上させるには?おすすめの教育法と導入ポイント

 

情報漏洩が発生した場合は報告・通知が必要

鍵

個人情報が漏洩し、個人の権利・利益を害するリスクが高い場合、企業は個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務付けられています。
報告の対象となるのは、以下の通りです。

 

  • 1,000件以上の漏洩
  • 要配慮個人情報の漏洩
  • 不正利用の可能性がある漏洩
  • 財産的被害のおそれがある漏洩


企業は、事案把握直後の速報と、内容を整理した確報の二段階で報告する必要があります。

引用元:個人情報保護委員会事務局|個人情報保護法改正に伴う漏えい等報告の 義務化と対応について

 

情報漏洩を防ぐ企業のリスク対策

情報漏洩を防ぐためには、システムの強化だけでなく、社内の管理体制や社員教育を組み合わせた多面的な取り組みが欠かせません。
企業が実施すべき代表的なリスク対策は、以下の通りです。

 

  • アクセス権限を必要最小限に設定する
  • 定期研修と確認テストを行い、情報管理に関する意識を浸透させる
  • 機密情報を扱う資料や電子データの廃棄ルールを徹底する
  • 委託先や取引先に対して情報管理基準を契約で明確にする
  • インシデント発生時の報告・封じ込め・復旧・再発防止 フローを整備する
  • ネットリテラシー検定を導入し、社員の行動変容につながる運用(受検・振り返り・再教育)を実施する


このように、日常的な管理体制の整備と社員教育を組み合わせることが有効です。
特に、ネットリテラシー検定は、実践的な教育手段として企業での導入が広がっています。
次に、具体的な導入事例を紹介します。

 

ネットリテラシー検定の導入事例

こちらは、IT企業がネットリテラシー検定を導入した事例です。

 

項目 内容
導入目的
  • ネットリテラシーの低さによるトラブルの再発防止
  • 社員のセキュリティ意識の向上と教育体制の整備
導入内容 幹部社員を含む27名が受験
導入後の声 教育講習会で「軽はずみな行動により起こしてしまった事件は、自分だけの問題ではなく、家族や会社に大きな迷惑をかける。」「名前はネット上に永遠に残る」といった言葉が強く印象に残った
導入効果
  • 社内の情報リテラシー基準を明確化し、教育体制に反映
  • 幹部社員だけでなく全社員に展開し、組織全体の体制を強化


こちらの事例は、社員教育によるネットリテラシーの定着が情報漏洩の防止につながることを示しています。
人事管理部をはじめ、社員の情報を扱う部門にとっても、全社的な意識向上を制度として定着させる取り組みは欠かせません。

 

まとめ:情報漏洩について理解を深め予防策を検討しよう

オフィス

情報漏洩は、企業の信用や経営に深刻な影響を及ぼします。
情報漏洩が起こる原因には、人的要因から技術的要因まで多岐にわたります。
情報漏洩を防ぐためには、システム面の強化だけでなく、社員一人ひとりの意識向上と継続的な社内教育が欠かせません。

情報漏洩を防止するための対策は、一部の部署だけでなく、企業全体で継続的に取り組む姿勢が求められるでしょう。

情報漏洩の防止やネットリテラシー教育の導入に関心をお持ちの方は、「企業・団体・学校のご担当者様へ」から詳細をご確認ください。
組織全体の情報漏洩リスクを最小化し、社員の意識向上にお役立ていただけます。

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関根 新治

この記事の監修関根 新治

  • ネットリテラシー検定機構 代表理事
  • 著書:『基礎から学ぶ社会人のネットリテラシー』を監修
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本電気株式会社に入社。 システムエンジニアとして大手証券会社の債券トレーディングシステムのインフラシステム保守・開発に従事。 一方で、プロジェクトのOA管理者として、メールサーバー管理やウィルス対応を行う。 その後、大手証券会社の営業職、M&Aコンサルティング会社、外資系投資会社、大手外資系保険会社管理職を経て2016年3月当機構を設立、代表理事に就任。
関根 新治

この記事の監修関根 新治

  • ネットリテラシー検定機構 代表理事
  • 著書:『基礎から学ぶ社会人のネットリテラシー』を監修
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本電気株式会社に入社。 システムエンジニアとして大手証券会社の債券トレーディングシステムのインフラシステム保守・開発に従事。 一方で、プロジェクトのOA管理者として、メールサーバー管理やウィルス対応を行う。 その後、大手証券会社の営業職、M&Aコンサルティング会社、外資系投資会社、大手外資系保険会社管理職を経て2016年3月当機構を設立、代表理事に就任。

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