いまや携帯電話やスマートフォンにはすべてといってよいほどカメラ機能がついています。それ故に、電車やエスカレーター、エレベーターなどの人が密集したところでは、思わぬところで携帯電話・スマートフォンの利用方法の不適切さを疑われてしまうことがあることがあります。それは、電車の中やエスカレーター、エレベーターなど、人々が密集する場所で、女性のスカートの中を撮影したり、居眠りをしている最中の姿を撮影したりするといった行為が後を絶たないからです。
こういう盗撮行為や迷惑行為は、肖像権やプライバシーを侵害すると言うだけでなく、各自治体による迷惑行為防止条例等で逮捕されて法的制裁を受けたり、懲戒処分など社会的制裁を受けたりもします。なお「盗撮」の問題は男性に限りません。電車内で居眠りしていた障がい者を「笑い」の材料にしてSNSに投稿したために、女子高校生が侮辱罪で書類送検されたケースもあります。
このような状況の中で携帯電話やスマートフォンの利用方法によっては盗撮を疑われることがあることを理解し盗撮を疑われないように行動することを心がける必要があります。
など、盗撮が疑われやすい場所では携帯電話やスマートフォンの利用を控えた方がよいでしょう。また、場所に関わらず風景や人物を撮影する際に、他人に携帯電話やスマートフォン、タブレットなどを向ける行為は誤解を生む可能性があるため注意する必要があります。
派生する大きな問題はえん罪です。痴漢や盗撮は、現行犯として身柄が確保されることがほとんどです。被害者にとっては大変なショックであり、心の傷も大きいことなのですが、疑われた人間が取り違えられることも非常に重大な人権侵害となりかねません。
そのため、撮影される被害への警戒と同時に撮影したと疑われるえん罪にも十分注意する必要があります。
また、本屋やコンビニエンスストアで、携帯電話やスマートフォンを片手に本を読んでいると、誤解を招く場合があります。
本の中身を撮る行為自体は、文化庁著作権課の見解では、著作権法第30条の私的複製に当たり、行為そのものは違法とはされていません。しかし、書店やコンビニにとっては、本の売上には繋がらず、損失に繋がります。日本雑誌協会などではマナー違反としてポスターなどで啓蒙し、書店やコンビニによってはそのような行為を禁じています。そのため店舗内で雑誌や書籍などに携帯電話やタブレットを向ける行為は誤解を生む可能性があるため十分な注意が必要です。
第1章 情報セキュリティ
第2章 マナーと倫理
第3章 法制度(刑事事件)
第4章 法制度(民事事件)
第5章 知的財産権
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